2011年2月14日月曜日

20110214 Bone Meta-analysis risk of fractures with acid-suppressing medication

PPIやH2ブロッカーで骨折のリスクが高くなる、と言うことが言われてきている。PPIやH2ブロッカーの内服で骨折が多くなるか、と言う事をmeta-analysisで検討してみた。
方法
MedlineでPPI、H2ブロッカーと骨折で検索してみて、そのORを調べた。
結果
12の報告、1,521,062人についてレビューした。PPIでは有意に脊椎骨折のリスクが上昇した。(OR=1.50)。H2ブロッカーでは優位な差は認められなかった。大腿骨頚部骨折に関しても、PPIでは有意に内服群が高かったが(OR=1.23)、H2ブロッカー群では優位な差は認められなかった。骨折全体で見てみたところPPIではOR=1.2。H2ブロッカーではOR=1.08であった。脊椎骨折は別として、様々な要因によって制限が加わっていることは知っておかねばならない。PPIとH2ブロッカーについて調べた論文では股関節骨折においてOR=1.34とPPIのほうが高かった。
結論
PPIで骨折のリスクが高くなるという中程度のエビデンスがあることがわかった。H2ブロッカーでは骨折との関連は認められなかった。脊椎骨折ではその関係性ははっきりしていたものの、その他の骨折では様々な要因が関連しているためにいえなかった。臨床家はもし、骨折のリスクが高い患者ではPPIの代わりにH2ブロッカーを使ってもよいかもしれない。

<論評>
PPIの内服が骨粗鬆症と関連しているのでは、ということはなんとなく話題になったこともありますが、それを裏付けるmeta-analysisです。
プライマリー(診療所、家庭医)で患者さんを見ている先生方に考えていただければと思いました。

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