2011年5月2日月曜日

20110501 Foreign Body Migration Along a Tendon Sheath in the Lower Extremity

7歳女児、カーペットの上に落ちていた爪楊枝を刺したということで救急外来を受診。大きな木片は除去されたものの、翌朝になって足部の腫脹とホ発赤が出現した。レントゲン写真では異常なく、抗生剤投与にても改善なく切開したところ10センチの爪楊枝の破片を摘出した。長母指屈筋腱の腱鞘内を貫通していた。

考察
この症例は下肢の腱鞘内を異物が貫通した、という世界で初めての症例である。上肢の腱鞘内を貫通したという症例は散見される。1983年のロシアの症例報告では前腕の筋にそって36センチも小さな金属片が混入したという報告や、30年前に混入したガラス片が屈筋腱の損傷を起こした
超音波でも受傷後2週間の時点では陰性であった。
非金属性の異物を検索するため手段については、MRIもしくは超音波によっての検索がよいとする報告がある。超音波であれば5mm以上の木片であれば93%の再現性をもって発見することができる。とする報告がある。所見としてはlow echoic areaにアコースティックシャドウをともなったような像としてみられる。
足部に混入した木片は長期間放置されることがある。腫瘍とまちがえられ切除された例も少なくない。この場合も超音波での診断が有用であった。


<論評>
ちょうど手で同じような症例を経験して、地方会にだそうかと思ったので調べてみました。
四肢での異物腫瘍(gossipiboma)じたいが珍しい、とただそれだけです。

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