2011年8月7日日曜日

2010807 Up to date Lumber spinal stenosisの続き

手術治療
LSSに大して手術治療は症状を軽減し、機能の回復の面で有効な手段の一つである。手術治療は保存治療が限界となったところで行なわれる。LSSを保存治療を行なうと約30%の患者が手術治療を希望する。
緊急手術は神経外科学的欠損、膀胱直腸障害が出現した場合に行なわれる。腰椎の変性でおこることは稀で腫瘍や脊髄円錐症候群として起こる。手術後の予後は手術までの時間と麻痺の程度によって決まる。
手術治療としては椎弓切除が考慮される。固定術は腰椎の側弯がある場合に考慮される。側弯がない場合には固定をしない方が合併症の発生率が少ないため、旧来の椎弓切除の方が好ましい。

椎弓切除術
LSSに対して手術治療が有効であるとするシステマティックレビューがある。
60―90%の患者で術後症状が改善していることが様々なコホート研究で言われているが、疾患の性質上試験の再現性に乏しく、また患者個々の状態が違うため比較、評価することは困難である。

棘突起拡大インプラント
最近開発されたインプラントで、MISの一つといわれている。
良好な成績も報告されているがその長期成績、副作用についてはまだまだ不明な点も多い。

側弯をともなったLSS
何かしらの固定を用いられる。
インプラントを用いることで骨癒合率の改善を認めたが、そのことによる臨床成績の影響を調べた報告はない。
合併症を集めた報告では全体の13%に血腫を含めた合併症が生じる。

また非常に高価な手術となることが多い

患者の選定
LSSの手術に関してはそのメリット、デメリットについてよくお話しておく必要がある。
15―25%の患者で再手術を受けることになる、ということも同時にお話しておくべきであろう。

手術による合併症での死亡率は0.5―2.3%
感染、深部静脈血栓症などの重大な合併症が起こる可能性は12%
患者の年齢、併存症が手術の危険性と関連。インプラントを用いるか、手術する脊椎高位、数が合併症率に影響する。
術後成績に影響する因子はシステマティックレビューでえられている。

手術成績に負の影響を与える因子
・うつ病の既往
・歩行能力に影響をあたえる併存疾患の存在
・心血管系の合併症を有する
・側弯症の存在

手術成績に正の影響を与える因子
・男性
・若年
・歩行能力が保たれている
・自らの健康に対して自信があるタイプの性格
・併存症が少ない
・狭窄が画像上でも明らか

喫煙はいかなる場合でも術後の成績不良因子として挙げることができる。

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