2012年4月30日月曜日

20,120,430 JBJS(Br) : Caouses and predictors of early readmission after surgery for fracture of the hip

抄録
この研究の目的は、大腿骨頚部骨折後に退院後28日以内に再入院する割合、危険因子を明らかにするために行った。セッティングは地域の大きな中核病院。後ろ向きに研究。過去1年間に大腿骨頚部骨折にて入院した467例。28日以内に再入院した患者について単変量解析、多変量解析を行なってその危険因子について明らかにしようとした。
11.8%の患者で退院後28日以内に再入院が必要となった。最も多い原因は肺炎で27.3%であった。ついで脱水と腎機能不全が多かった。運動機能の低下も18.2%で見られた。
入院時に肺病変があることと、再入院の理由が肺炎で有ることとの間には中程度の相関関係が認められた。
再入院が必要であった群の1年後の死亡率はそうでない患者に比べ圧倒的に高かった。(41.8%対18.7%)。ロジスティック回帰分析を行ったところ、高齢であること、入院元、糖尿病、神経学疾患の合併があることが再入院の危険因子で有ることがわかった。
再入院が必要となった患者ではその死亡率は高いことがわかった。危険因子に基づいた医療保険からの支払いのインセンティブが必要であることを示唆している。術後再入院を減らすためには多方面からのアプローチが必要である。

考察
11.8%の患者で再入院が必要となった。これらの患者は高齢で、合併症の数が多く、またASAグレードが高く寝たきりの患者であることが多かった。多くの現任は手術と関わるものでなく、肺炎、腎不全、歩行困難で2/3を占めた。手術が原因と鳴るものは9.1%にすぎなかった。
11.8%と言う数字は、イギリスでの12.3%という結果とそう変わりない。渉猟し得た他の研究では18.3%から34%と言うものまであった。これらの研究のうちの一つに40000人のコホート研究がある。その研究では入院期間が1週間以内であった。これらの研究はアメリカの医療制度に基づいて行われており、入院期間を短縮させようという方向に働いている。これらの研究では急性期の退院が再入院を増やしているエビデンスはないとしているものの、退院時に様々な臨床的な問題を持ったまま退院していることは間違いない。
本研究では入院期間が20日を超えている。これは他のNHSに基づいて治療をしている医療機関とかわりない。様々な問題に対処してから退院することで再入院の率が減っていると言うこともできる。
入院期間が長いから退院後に起こったかもしれない事象に対応できているので再入院率が低いのかもしれない。

再入院の理由は肺炎、腎不全、歩行機能の低下、腸炎、尿路感染などであった。これらはいずれも避けられない理由ばかりであった。手術の合併症によるとおもわれる再入院の率は低かった。この傾向は他の研究でも認められた。入院前から呼吸器疾患がある患者さんでは肺炎を起こしやすい。ということがわかったことが本研究の特筆すべきことである。腎不全は入院中の脱水、栄養不良が影響しているのかもしれない。最近の研究では栄養学に注目した管理が必要となってきていると言うことがトピックとして言われているので、今後はそのような方面からのアプローチも必要であろう。
NSAIDsの使用を極力減らしておくことも重要ではないかと考えている。

本研究では再入院をするような患者では1年後の死亡率が高くなることがわかった。他の研究でも同様のことが言われている。これは再入院するような患者はもともとの予備能力が低いためであろうと考えられる。

多変量解析を行ったところ幾つかの項目が有意差があるとなったが、結局高齢、入院前住居、糖尿病、神経疾患の有無が危険因子としてあげられた。

むしろ向き研究であることが本研究の限界である。しかしながらnも十分に大きいのでこの問題はクリアできていると思われる。

手術以外の要因で術後早期に再入院してくることが多かった。このためには様々な方策をとらなければならない。また患者の重症度に応じた医療基金からの支払いも必要ではないかと考えられる。

<論評>
大腿骨頚部骨折術後の再入院のお話です。
日本でもこの4月から医療連携の強化ということで早期転院がより強く推奨されるような点数配分となりました。
アメリカ、イギリスとは医療環境が違いますので、これを本邦に当てはめて考えるのはどこまで可能か、ということを考える必要があります。
それは、退院ではなく、転院という特殊性。ベッド数が多いので、医療機関へ転院できます。そこで治療を受けることができるので、日本の場合は再入院率が少し下がるのではないかと予想します
考察がだいぶ思い切ったところまで話を飛ばしているのには笑えました。
おいおい、キミィ、どこにもお金の話なんか調べてないやろ。と突っ込まなかったのでしょうか。笑
確かに重症患者、より技術のある医師には何かしらのインセンティブが働くようにした方が良いのではないでしょうか。人工関節誰が入れてもお値段一律という医療にはすこし違和感を感じています。
もう一つ気になったところは術前、術後の水分管理、栄養管理に言及していることです。この間ヨソでスウェーデン人の教授の話を聞いていましたが、そこの講演でも術中術後の栄養管理、水分管理について今後調べていく価値が有るのではないかと言うことでした。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21342737?dopt=Abstract
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12765661?dopt=Abstract

ご興味の有る方はどうじょ。笑

ちなみに私20006年頃に大腿骨頚部骨折とNSTというお題で調べたことがありますが、ネタの段階でボツとなっております。
その理由はNSTで低栄養と診断されるのは腹部外科のように何かしらの経腸栄養などを考慮しなければいけない患者で、整形外科の様に麻酔切れたら御飯食べていいよーと言うと頃では余り機能しませんでした。笑

脱水の程度などを評価する方法があると良いのかもしれませんね。



2012年4月24日火曜日

20120424 JBJS(Am) AAOS guideline on preventing venous thromboembolic disease in Pt undergoing elective hip and knee arthroplasty

AAOS(アメリカ整形外科学会)からのTKA、THAうける患者さんへのVTE(深部静脈血栓症)予防のガイドライン


推奨レベル:Strong
・TKA、THAの術後の患者さんに対してルーチンに超音波によるスクリーニングを行う必要はない。

推奨レベル:Moderate
・THAやTKAの術前には抗凝固剤を中止したほうがよい。
・薬剤もしくは機械的圧迫法によるVTEの予防策を取るように推奨する。
・VTEの予防にはならないものの、腰椎麻酔、硬膜外麻酔は出血を抑えるのに役立つ。

推奨レベル:weak
・TKA、THAを受ける患者群はすでにVTEの高リスク群である。以前にVTEの既往が有るような患者ではさらなる検索を必要とする。


推奨レベル:consensus
・THA、TKAを受ける患者では出血が問題と鳴ることがあるので、凝固障害の様な病態が内科どうかを確認しておいたほうがよい。
・抗凝固剤の投与期間については未だ議論の残るところである。
・以前にVTEの既往が有るような患者では抗凝固剤、もしくは機械的圧迫による予防策を講じたほうがよい。
・凝固機能障害、肝機能異常があるような感jさでは機械的圧迫による予防を講じたほうがよい。
・早期離床、早期リハビリは有効な予防法であると考えられている。

推奨レベル:inconclusive
・VTEの既往があることがホントにVTEのリスクを高めるかどうかは検討中である。
・肝機能障害が有るような患者では出血を助長する可能性があるので抗凝固剤の使用をしても良いかどうかは検討中である。
・IVCフィルターによって肺塞栓を防ぐことができるかどうかということについても検討中である。

<論評>
よんでみましたが、ナンだかあんまりさえませんねえ。。。。。。
日本のガイドラインでええか。。。。

2012年4月20日金曜日

20120420 Up to date: Septic artritis in adults

成人の化膿性関節炎についてのマトメ

有病率
台湾での研究によると都会の救急病院にはこばれてきた急性単関節痛を訴える8‐27%程度。

予測因子
6242人の関節痛を訴えた患者のうち、653人が化膿性関節炎であった。以下に危険因子を示す。
・80歳以上
・糖尿病が併存
・関節リウマチが併存
・最近関節手術を受けた
・皮膚の感染、皮膚潰瘍がある
・薬物乱用、アルコール乱用の既往がある
・関節内のステロイド注射の既往がある

これらのリスクが合わさった場合にはよりその危険性が高まることも知られている。

感染源
ほとんどの症例が血行性感染と考えられている。
幾つかの症例で心内膜炎の合併が報告されている。化膿性関節炎の起因菌が黄色ブドウ球菌、腸球菌、連鎖球菌であった場合には心内膜炎の検索を行なっておく。
この他に髄膜炎との合併があることも知られている。
化膿性関節炎は関節炎の既往が有るような関節に起こりやすいことが知られている。これは滑膜炎との関連が指摘されている。RAで化膿性関節炎の危険性が高まることが知られているが、痛風、偽痛風、変形性関節症、シャルコー関節でも危険性は増加する。ステロイドの投与、TNF製剤の投与の既往も危険因子である。

病理像
細菌は滑膜内の穴から関節内に侵入する。滑膜には基底膜がないためこのようなことが起こる。
感染が成立すると7日以内に線状細胞の過形成が起こる。加えて炎症細胞がサイトカインやプロテアーゼを放出する。軟骨の栄養が阻害されるため軟骨に障害が起こる。
細菌そのもの、または細菌の排出する毒素によって関節構造の破壊が進行する。

細菌学
さまざまな原因で化膿性関節炎が起こりうる。黄色ブドウ球菌(MRSAをふくむ)が最多の原因である。連鎖球菌のようなグラム陽性球菌も多い。外傷によるもの、薬物乱用、高齢者、免疫抑制状態にあるような患者ではしばしばグラム陰性桿菌が検出される。
肺炎球菌による化膿性関節炎もありえる。その様な患者の36% の患者では多発関節炎をきたしうる。
基本的に複数の菌が感染することは珍しい。

臨床症状
化膿性関節炎の患者では関節の腫脹と熱感が認められる。50%以上が膝に発生するが、足関節、手関節、股関節にもしばしば見られる。
恥骨結合への化膿性関節炎は稀であるものの、女性泌尿器の術後出会ったり、アスリートなどでは時折遭遇することがある。
20%が少関節、多関節の炎症を伴う。関節リウマチ、膠原病などを合併した患者では多関節に症状が出る。
関節痛、関節の腫脹、熱感、関節の可動域制限が主な症状である。これらの症状が85%で認められる。
化膿性関節炎の患者では発熱を大抵伴うが、悪寒を伴ったりspike feverを伴ったりすることは稀である。高齢者では熱が出ないことも多い。ときどき皮膚の感染症、肺炎、尿路感染などを合併していることもある。
薬物乱用者では胸鎖関節などに化膿性関節炎を起こす。

診断
血培ボトルに採取した関節液を入れると細菌の検出率が高くなる。ということで推奨されている。しかしながら余り変わらないとする報告もある。
もし穿刺によって関節液を採取できなければCTまたは超音波ガイド下にて穿刺を行うと良い。とくに股関節、仙腸関節などは考慮に値する。
非淋菌性の化膿性関節炎であれば培養が陽性にでる。もし培養が陰性である場合には最近抗生剤の治療を受けているか、連鎖球菌やマイコプラズマのようなものを考える。
グラム染色は有用であるが絶対ではない。その感度は29‐50%程度である。ムチンが染色されることによる偽陽性が時々見られる。
関節液内の白血球は50000‐150000程度である。化膿性関節炎の時には増加している傾向にある。関節液内の糖の減少も見られることがあるが、特異性に乏しい。
血液培養は50%の患者において陽性である。すなわち化膿性関節炎を疑う患者を見た場合には血液培養を採取しておく必要がある。
血液検査では白血球、CRP、血沈の上昇を認めるが非特異的である。
レントゲン写真上はほとんど正常である。CT、MRIは関節外への波及を評価するのに有効である。

鑑別診断
偽痛風、反応性関節炎、関節リウマチ、ウイルス性関節炎、ライム病などが鑑別となる。

結晶性関節炎
結晶性関節炎と化膿性関節炎の鑑別は極めて困難である。臨床上はほとんど同じ症状を呈する。レントゲン写真で石灰化を指摘できると診断の助けになる場合がある。
関節液内の結晶を診るまでは鑑別が出来ない

反応性関節炎
反応性関節炎の患者の多くで胃腸症状や泌尿器に関わる症状の訴えがある。強直性脊椎炎で化膿性股関節炎のような症状を呈することがある。

関節リウマチ
関節リウマチは一般に対照性の慢性の多関節炎を呈する。ときおり一関節の急性炎症を起こすことがある。この時点での診断は困難である。

ライム病
ライム病は急性の単関節炎をきたしうる。皮疹、熱、移動性関節痛を訴える。患者の旅行歴の聴取が重要である。

その他
真菌性関節症
淋菌性関節症
外傷性関節症
マイコプラズマ関節症

治療
抗生剤の経静脈投与と関節内洗浄が基本である。

抗生剤
抗生剤について決まったレジメはない。
関節内からグラム陽性球菌が検出された場合にはバンコマイシンの投与を検討
グラム陰性桿菌が検出された場合にはブロードなセフェム系の抗生剤を考慮する
(ceftazidime(モダシン®)、ceftriaxone(ロセフィン®)、cefotaxime(セフォタキシム®))
もし免疫不全患者で、最初のグラム染色が陰性だった場合にはバンコマイシンと第3世代セフェムを同時に投与することを考慮する。
感受性が分かり次第deescalationする。化膿性関節炎はバンコマイシンで治療させるべきであるが、副作用があって投与できない場合にはdaptomycin、linezolid、clindamycinの投与を検討する。

抗生剤の関節内投与は推奨されない。

抗生剤投与に決まった期間はない。一般に最低2週間点滴による投与を行ったあとに2週間の経口投与を追加する。
緑膿菌やエンテロバクターのような最近の時には4週間程度の点滴治療を継続することをおすすめしている。

関節内ドレナージ
ドレナージについてのRCTはない。
ドレナージをした方がよいのか、しなくてもよいのかということも不明である。
膝などの関節は毎日穿刺する方法でも対応可能であるが、毎回針をさすことが問題となる。
膝、肩関節は関節鏡による洗浄がしばしば行われる。この治療法での治癒率は78%であるとする報告がある。
股関節については手術治療が推奨される。
関節液が透明になってくるまでドレナージは留置する。改善がない場合には再手術を考慮する。

予後
化膿性関節炎の予後はこの数十年改善が見られていない。これは治療を行った後でも機能予後の予測が難しいからでもある。機能予後は宿主に依存する。






20120420 JBJS(Am) Operative vs nonoperative care of displaces midshaft clavicular fracrures : mera-analysis of RCT

caf-caf-caffine speeding through my veins

転位のある鎖骨骨折に対して手術をした方が良いのではないかと言うことが最近言われるようになってきた。そこで手術療法群と保存療法群の2群で機能予後と合併症の発生について調べることした。

方法
システマティックレビューを用いて鎖骨骨折について手術、保存療法のそれぞれの文献を調べた

結果
412例。6編の論文が該当した。偽関節は保存療法群で29/200。手術療法群で3/212と保存療法群で有意に多く発生した。変形治癒は手術療法群で1例も発生しなかったが、保存療法軍では17/200例発生した。

結論
手術療法は偽関節の発生を減らし、変形治癒の可能性を減らし、また機能回復も早い。と言う結果を得た。しかしながら長期予後について、手術療法群が保存療法群よりも勝るとした研究は殆ど無かった。

考察
研究の対象群となったのは活動性の高い若年男性であった。本研究では手術治療をおこなうことで、早期の社会復帰が可能となることがわかった。また偽関節、変形治癒などの合併症を減らすことができることがわかった。
1年後のDASHスコア、CSスコアを用いた機能回復の程度は5ポイントにとどまり、臨床的に意味があるとされる10‐15ポイントを下回る結果となった。この理由は多岐にわたるためよくわかrなかった。保存療法群での偽関節、変形治癒が発生する割合は23%にのぼる。しばらくの間機能評価は低いものの、長期間での機能評価ではある程度の結果が得られていることから保存療法軍でもより良く治療されていると言える。ただし、将来的に予後が悪そうだと言うとキには手術を行ったほうが良い。
治療に関わる合併症は手術群よりも保存群のほうが多かった。(29%と42%)。手術群で最もおおい合併症はインプラントトラブルであった。
保存療法群では有意に偽関節を発生しやすかった。
この研究の限界はいくつかある。まず、RCTのみでこのメタアナライシスを行ったが、コレは対象がだいぶ限定されている可能性がある。また筆者にその研究の詳細をきいたわけでもない。


【論評】
若年男性の転位のある鎖骨骨折に対しては手術療法を行ったほうが早期社会復帰ができる。ということでした。ハイ。
RCTを行えるような施設は限られておりますので、本研究がどこまで日常臨床に応用できるかは不明でありますが、十分考慮に値する結果にはなっているものと思われます。
高齢者はどうなのか?女性の場合は?と疑問は深まりますが、またココらへんは自分でも研究を進めていきたいものです。
メタアナライシスを自分で行えるようにするといいのかなあと感じましたので、少しそこら辺を勉強してみます。

2012年4月19日木曜日

20120419 Up to date:Vertebral osteomyelitis and discitis

Bacterial osteomyelitis & disciitis, spine XR (2 of 2)

脊椎椎体炎と椎間板炎

椎間板炎自体は高齢化とともに徐々に増えてきていると言われています。最近転勤先の病院で何人かの患者さんを診ることがありましたので自分の知識の整理とともに最新の知見をup to dateできればと思いまする。

Summary and recommendation

・脊椎椎体炎は離れた感染源からの血流感染、外傷・脊椎術後の直接感染。軟部組織感染からの波及の3つの感染ルートが想定されている。
・最も多いのが血流感染である。
・起因菌としてもっとも多いのが黄色ブドウ球菌で50%を占める。この他にはグラム陰性桿菌、カンジダ、緑膿菌、溶連菌、結核などがある。

臨床症状
・もっとも多い症状は腰痛、頚部痛である。発熱は時々はっきりしないことがある。
・ESR、CRPの著明な上昇を認める。

診断へのアプローチ
・脊椎椎体炎、椎間板炎の診断は時々難渋することがある。臨床症状、レントゲン写真の異常から診断がなされることが多い。確定診断のためには椎間板、脊椎椎体の吸引生検が必要となる。血液培養は50~70%の患者で陽性となる。
・MRIは脊椎椎体炎を診断するのにもっとも感度が良い検査機器である。
・筆者らは脊椎椎間板炎を疑った患者がいるときには以下のようなアプローチを用いて診断するように推奨している。
   >まず最初に身体所見、血液検査、血液培養、単純レントゲン写真を撮影する。
   >もし脊椎の局所の圧痛がある、かつ/または血液培養、単純レントゲン写真、血液検査で異常を認めた場合にはMRIを撮像する。
   >もしMRIで病変が確定された場合にはCTガイド下にて生検を行う。生検した組織は好気性培養、嫌気性培養、真菌培養、抗酸菌培養などに加えて病理検査まで提出しておく。
   >レントゲン写真で明らかな脊椎炎の像があり、血液培養が陽性に出た場合には生検を無理に行う必要はない。
   >血液培養、針生検がともに陰性だった場合で、それでも身体所見上椎体炎が疑われる場合には2度目の脊椎生検を予定する。
   >2度の脊椎生検にても陰性だった場合には経験的抗生剤の投与を開始する。

・IEの患者で腰痛を訴えることがあるのでIEの除外診断だけはしておく。

治療
・ほとんどの患者で抗生剤治療のみで軽快するがときどき手術を必要とする患者がいる。
・患者の状態が落ち着いていれば針生検、もしくは血液培養の結果がでるまで抗生剤の投与は見合わせる。
・培養の結果がでたら感受性の結果にあわせて抗生剤の投与を開始する。抗生剤の投与は点滴で行うことをこの筆者らは推奨している。
・培養の結果が陰性で、複数回の生検の結果でも起因菌が明らかにならなかった場合には、エンピュリックな抗生剤の投与を行う。
起因菌から想定するに、エンピュリックな治療としてバンコマイシンに加えてcefotaxime(セフォタキシム®)、ceftazidime(モダシン®)、ceftriaxone(ロセフィン®)、cefepime(マキシビーム®)、ciprofloxacin(シプロキサン®)のいずれかを投与する。
・3週間エンピュリックな抗生剤投与を行なって改善が得られなかった場合には切開生検、または再度の針生検を考慮する。
・治療は最低6週間継続し、反応によっては12週間継続する。
・手術治療は基本的に不要である。

【論評】
長期間抗生剤投与は自分の中で納得が行くのですけども、長期間臥床を強いられている患者さんたちをみてホンマにそんなに寝かして置く必要があるのかな?と言うのがコレを読んだボクの疑問です。
1970年代に出た論文を幾つか調べてみると脊椎の椎体変形予防のために安静臥床と装具の装着が必要である。とする論文がありました。
どれだけの期間寝ていたら良いかということについては一定の見解はないのでしょうね。。。。
また時間があるときにこのUp to dateの本文も読んでおきます。

2012年4月12日木曜日

ポスター発表の準備中

きたる日整会のポスター発表の準備中です。

そういえばポスター発表って今まで余り考えずに貼っていただけですけど、もっとよい発表がしてみたい!と思ってイロイロ調べてみました。

http://shinka3.exblog.jp/6214144
5号館のつぶやき より よいポスター発表をするための10のルールということです。

今回は少しアクティブにポスターを作ることと、自分の発表などに興味をもってくださった方と交流が持てるような準備をすることを一つの目標としたいと思いまする。



2012年4月11日水曜日

20120411 JBJS(Am) Detection of THA at airport security checkpoints: How has heighted security affected patients?

Airport Security
JBJS(Am)の”Orthopadics forum”からです。

空港でのセキュリティーチェックは年々厳しくなっている。今まで人工関節を受けた患者がどのくらい空港のセキュリティーチェックに引っかかるかという研究は殆ど無い。この研究の目的は空港のセキュリティーチェックをTHAをうけた患者さんが通過するときどうだったか?を調べることである。

方法
250人のTHAを受けた後に飛行機に乗った患者さんに実際にセキュリティーチェックに引っかかったかどうかを尋ねた。どこの関節を入れ替えたかと尋ねられたか、いくつのセキュリティーに引っかかったか、体内金属の入っている場所で反応した回数、追加検査を受けたかどうか、文書による証明を要求させたかどうか、どれくらい不便だったかなどについて尋ねた。

結果
143人84%の患者で金属に反応があり、ゲートだけでなく別に管理官による個別検査が必要となった。25人の患者で個別検査に加えて別の身体検査が行われ、2人は服を脱いで手術痕を見せるように要求された。143人中99人が人工関節によって何かしらの不都合を感じることになった。

結論
9.11から空港のセキュリティーチェックが厳しくなってから、整形外科手術を受けた患者さんがそのデバイスによって何かしらの不利益を被っているということを示す興味深い研究である。
人工関節を入れている場合には前もって航空会社などに問い合わせておくと良いのかもしれない。


<論評>
僕自身時々患者さんから”今度飛行機に乗るから、英語の証明書書いてね”とお願いされることもありました。
ちなみに考察の中では”医師が書いた証明書を持っていても結局アラームがなって検査を受けるはめになる”とかいてあります。
と言うことは結局引っかかってしまうのですね。
僕が手術した患者さんたちが引っかかっていないことを願うばかりです。

材質にかかわらずアラームが鳴るということは一つオドロキでした。

ちなみにこの論文の結論は”もう、アラームはなっちゃうので、鳴ること自体をどうこうすることはデキないので、チェックポイントには余裕をもって早めに行っておくように患者さんにオススメする”だそうです。笑



2012年4月9日月曜日

20120409 JBJS(Br) The early management of patients w/ multiple injuries その7

乳酸の値を基準とした治療方針の決定

血中の乳酸の値は蘇生が順調に行っているかどうかを判定する良い指標の一つである。たいていの血ガス測定器で乳酸の値を測定することができるため、容易に測定も可能である。12時間から24時間以内にETCまたはDCOを行うかどうかということを決定するための情報を与えてくれる。

多発外傷の多くの患者では入院時に乳酸値が上昇する。救命措置を行なっている経過中にその乳酸値の変化が重要となってくる。救命措置を行なっている間は骨折はシーネなどで固定されている必要がある。経験上多発外傷の患者ではときどき驚くような乳酸の値を測定することがある。
アメリカのボルチモア外傷センターのガイドラインでは乳酸の値が2.0以下であればETCを行うことができ、2.5mmol/lでは蘇生を継続したほうが良い。としている。
ただ、最初の値が2.5mmol/lであっても低下傾向に有るようであれば患者さんの全身状態を鑑みてETCを考慮しても良い。ただし実際に手術を行うのは乳酸値が2.5mmol/lを切ってからの方がよい。2.5mmol以上で低下傾向にない場合には12時間から24時間は蘇生を継続し、整形外科的にはまずは創外固定のみを考慮し、その他の手術は数日後に再検討すると言う方針の方が良い。

実際に手術を行う際にはバイタルサインなどに十分に注意をして行う必要がある。ETCを予定して手術を行なっていても、その最中に容態の変化があれば即座にDCOに切り替えることのできる準備だけはしておく必要がある。様々なシチュエーションについて前もって外傷チーム全体で方針を確認しておく必要がある。

現在重症外傷における基礎的研究としてIL-6 が外傷の重症度を反映するのではと言われている。IL-6を測定することでDCOにするのか、ETCにするのかということを決定できるのではないかということが現在考えられている。ただし、現在の医療レベルでは身体所見が最もアテになる指標であることは変わりがない。


入院後の再診察

重症外傷で入院した患者全員に対して入院後12時間から36時間のあとにtertiary surveyを行う必要がある。頭頂からつま先まで再度入念にチェックし、神経学的欠損。感覚障害の有無、すべての関節の安定性について確認する必要がある。骨折の見逃しを避けるために必要なレントゲンはこの時点で全て撮影する。その結果はカルテにもらさず記載する。
イギリスでの研究で多発外傷の63%の患者に多発骨折を合併しており、多発外傷の患者の93%で一つ以上の骨折があることが知られている。

ガイドラインはあくまでもガイドラインであり、多発外傷の治療はその国のhealth care systemに大きく依存する。



2012年4月6日金曜日

20120406 Up to date :Achilles tendon rupture

Achilles Heel

アキレス腱断裂を見た時に、最近保存療法をオススメすることが多くなっていましたが、はてはて、本当にそれで良いのかと。手術しなくて良いのかい?と疑問に思ったので探してみました。

以下Up to dateの記載からです。

・アキレス腱断裂の初期治療
患部の冷却、疼痛コントロール、安静、固定。(いわゆるRICE)を行い、整形外科医にコンサルトすべきである。
・完全断裂の場合
アキレス腱の完全断裂の場合には、原則的には手術治療がお勧めである。さまざまなシステマティックレビューが手術の有用性を指し示している。
-再断裂の頻度は手術治療を行った場合が5.0%、保存療法を行った時には12% であった。
-回復までの期間、患者満足度については結果が様々で結論が導き出せない。
-スポーツへの復帰について手術群と非手術群との間には差がなかった。(RR1.03)
-手術療法の方が治療に関わる合併症の発生は多く、創部感染が0%対18%とRR9.32倍と明らかに多かった。

手術治療は仕事への復帰に2から3ヶ月を要し、スポーツ復帰までに3~6ヶ月を要した。

手術を行った群で早期リハビリを行った群とそうでない群を比べた時に両群に差は見られなかった。

アスリートではなく、また高齢の患者ではひざ下までのギプス固定で治療を行うこともある。6~8週間の固定。再断裂についてよくお話しておく必要がある。受傷後48時間以内にギプスをまくべきである。

アキレス腱の部分断裂の場合にはどのような治療法が良いかということはわかっていない。手術治療と保存療法のどちらが有効かも不明である。この筆者らは基本的には保存療法を行うようにしている。

フォローアップも重要である。フォローアップの最大の焦点は再断裂を起こさないように注意することである。10%の患者が再断裂するということを常に念頭におく。
ムリにリハビリを行ったほうが良いという報告はない。
再断裂を起こさないようにするために以下のようなことを伝えておく
・運動前には適切なウオームアップを行うように
・冷水でのトレーニングをさけ、もし運動を行う際にはランニングタイツなどの装着を行う。
・硬い地面での運動は避けるようにする
・運動の負荷は徐々にあげるようにする
・ランニングシューズはクッション性が失われる前にマメに替える
・適切なフォームを身につける
・筋肉のバランスの悪さ、柔軟性を身につけるようにする


【結論】
””オレは手術で合併症が出てもいいからよくなりたいんだ!”と言う積極的な患者さんの時には手術療法をすすめる。(Grade2A)
経皮的アキレス腱縫合術は術後の感染のリスクを下げる可能性がある。

もし、手術による不利益が納得できないのであれば保存療法をすすめる。

【論評】
僕が普段考えている治療とほぼ同じ内容が記載されておりました。
ある程度年配の方であれば保存療法で許されるものと思います。

ただアキレス腱断裂の保存療法で治癒しなかったということで訴訟になった例があったと風のうわさで聞いたことがあります。保存療法の限界を見極め、再断裂の危険性についてはよくお話しておく必要がありますね。

2012年4月5日木曜日

20120405 JBJS(Am) Hemiarthroplasty of hip w/ or w/o cement : RCT

Catacombs and Mature Sycamore Tree at St Bartholomew's Cemetery in Exeter
 抄録

背景
高齢者の大腿骨頸部骨折に対してセメントの人工骨頭を使うか、セメントレスの人工骨頭を使うかということについては未だ議論のあるところである。
方法
70歳以上の高齢者に対して、重大な心血管障害がない転位のある大腿骨頚部骨折の患者を対称とした。平均85歳の患者、160人をノミネートした。この160人をExter stem(セメント)とZweymullerアロクラシックモデルの2群に無作為に割りつけた。臨床と、レントゲン写真評価は盲検化された評価者によって行われた。疼痛、死亡率、運動機能、合併症、再手術率、QOL評価を行った。
結果
VASスケールにおいては2群に差が出なかった。全体の合併症はセメントレス群で多かった。(63例対28例)。ステムの沈み込みはセメントレス群で顕著であった。術中の骨折、術後の骨折はセメントレス群で多かった。死亡率にかんしては両群に差を認めなかった。Oxford股関節評価では術後6週の段階でセメントレス群の方が明らかに劣っており、その他の期間でもその違いは有意なものはないもののセメントレス群の方が低い傾向にあった。セメント群の方が歩行能力は低かった。術後のQOLは2群で差を認めなかった。
結論
重症な心血管疾患のない高齢者の大腿骨頚部骨折に対する治療でセメントを使うのか、セメントレスを使うのかという治療は疼痛に関しては両群に差がないことがわかった。しかしながら手術に伴う合併症はセメント群の方で少ない傾向にあった。これらは術後の全期間を通じて言える傾向であった。

考察
以前にはオースチンムーアとトンプソンのセメントステムでの比較があったものの、現在このステムの使用はそれほど多いものではなくなっている。
最近の流れとして、セメントステムでは術中の塞栓症による死亡との関連が言われてから、セメント使用は避けられる傾向にある。ただ、現在の研究ではこの原因ははっきりしておらず、セメントの毒性もしくは骨髄の塞栓症によるものではないかと考えられている。本研究では明らかな塞栓症を認めなかった。それどころかセメント群では心血管イベントを認めなかった。ただ、心血管系の併存症がある患者は最初から麻酔科医によって外されているのでこの部分はこの研究の欠点として存在する。ただ、この研究の目的はセメントの明らかにするものではなく、またコクラン・ライブラリーでもセメントによる害は少ない。とされていることは記しておく。術中のトラブル等は合ったかもしれないが、この点については今後の研究課題となりうるだろう。
認知症については両群でそれぞれ47.5%ずつ存在していた。認知症は高齢であればよくある病態であるので、除外項目とはしなかった。しかしながら、認知症のある患者さんはフォローが困難ではあった。
途中の脱落例がセメント群で21例、セメントレス群で27例あった。どうしても高齢の患者さんを対象としたために脱落が多くなった。こういう時にはバイアスがかかりやすくなるが、今回はある一定の期間でチェックを入れていたので、そのバイアスは少なくできたものと思う。
機能予後は2群で変わりがなかった。
ただ、インプラント挿入に伴う骨折はセメントレス群の方が明らかに多かった。。
レントゲン評価はほとんどこの種の研究では行われない。今回測定したところセメントレス群の方が術後のステムの沈下は多かった。
まとめ。
高齢者の大腿骨頚部骨折に対してセメントステムとしてexeterを使うとツバイミューラー型のセメントレスシステムよりも術後のトラブルは少なかった。また機能評価もセメントの方がよかった。ただ疼痛などは有意な差は認められなかった。

【論評】
ス◯ライカー社のExeter(poloshed tapered) stemが良い!ということで、開発したエクセターに敬意を表し、エクセターの扉絵を載せてみました。
これでセメントがよいのかセメントレスが良いのかというところに結論がでたかと言うとそういう訳でもないなあ。と言うのがブログ主の感想です。
そもそも日本であれば、遠位固定型のツバイミューラータイプのセメントレスステムよりもいわゆるフルフィル型(近位固定)の方が使用されている件数は圧倒的に多いでしょうしね。
なので今回のこの結果が一概にセメントバンザイという結論にはならないと思います。

この研究は無作為割付研究ですが、実は術者の問題が大きいのではないかと思います。
原文が読めるのであればtable2をみていただくと、セメントで79分かかるのはまだ分かりますが、セメントレスでope時間に有意差なしとなっております。(74分)
どんなに)以下自粛な手術かと。。セメントレスで60分以上かかるのは、ちょっと。。。

以前このブログでも書きましたが、セメントステムは上手なオペレーターが使うとホントにうまくいきますけど、慣れていない術者だと目もあてられない様なトラブルに見舞われることも決して少なくありません。
エクセターのステムは良いステムだと個人的には思っています。しかしながら使いこなせるようにするためにはしっかりとしたトレーニングがあってこそだと思います。はい。



2012年4月4日水曜日

20120404 JBJS(Br) The early management of patients w/ multiple injuries その6

多発外傷における骨折治療

Damage control surgery(DCS)は四肢の治療に時間を浪費することを避けるために選択されるsて手術方法のことである。DCSには4つのポイントが有る。1,出血のコントロール。2,脳圧、胸腔内、心嚢腔、腹部、四肢のコンパートメントの除圧。3,創のデブリードマンと内臓の処置。4,骨盤バンドを用いた骨盤の固定。骨折部の牽引とギプス固定。できるだけ侵襲を少なくして身体上のホメオスタシスを保つようにすることがDCSの目的である。骨折を治療する場合に、12時間から24時間以内に手術をするかどうかを決定するのをETC(early total care)、DCO(damage control orthopaedics)と言う。
ETCは受傷後24時間以内に最終固定を行うことを言う。このとき最も重要なのは手術前に蘇生は完全に終わっていることが前提となる。これは入院後6~12時間ではほとんどとりかかることはできない。ETCそのものは即時にすべての手術を行うことを意味しない。
ETCをおこなうか、DCOを行うかは全身状態によって決定する。この場合にはAIS(Abbreviated injury score)の様なスコアリングシステムが有用である。
いわゆるterrible triad:低体温、凝固異常、アシドーシスが存在するかどうかは常に考慮されなければならない。蘇生中は保温に努めなければならない。体温が35度以下、血小板が12万以下、INRが1.5異常、PHが7.25以下もしくはBase excessが5.0meq/lであればETCは行われるべきではない。
DCOは創外固定のみをさすのではない。牽引もひとつの方法として考慮される方法である。

【論評】
ETCとDCOの話ですね。日本でETCが出来る施設がだいぶ限られていますし。。。
自分がいる施設で何ができるかが重要であると思います。

2012年4月3日火曜日

20120403 JBJS(Br) The early management of patients w/ multiple injuries その5

外傷におけるCT

CTスキャンは頭部、頚部、体幹の損傷のsecondary surrvey としてできるだけ早く行ったほうが良い。
外傷センターでは患者の到着後30分以内に行われているということが報告されている。放射線透過性の担架があると便利で、到着後すぐにCTに移動することができる。
早期のCT診断は大量の情報を与えてくれる。もしCTが初療室の隣にあればたとえ大量出血で血圧が低くても連れて行く、と言う選択肢があり得るかもしれない。CTが離れた場所に有るような場合には搬送自体が難しい。このような場合には外傷チームのリーダーはCT室ではなく、いきなり手術室へ行くと言う判断を下しても良い。
外傷チームはCT室まで同行していかなければならない。頭頂部から恥骨部までのCTを撮像する特に禁忌がなければ必ず行う。こうすることで大動脈損傷、活動性の出血を同定することが可能となる。もし余裕があれば足関節、脛骨の骨折についてもCTを撮像しておく。
この時被曝についても留意しておく必要がある。CTを撮像するか同化ということについてはその施設の基準などに準拠する。小児の場合にはより被曝による影響が大きくなると思われるので注意深く判断を行う。

Secondary Survey
多発外傷の患者は必ずsecondary surveyを行う。すべての多発外傷患者に対して頭の先から爪先までの詳細な診察を必要とする。それぞれの外表創についての記載を行い、また骨折脱臼についても評価しておく。四肢の神経、血管評価も必要となる。動脈拍動の有無、神経学的欠損についても記載を行なっておく。骨折は固定をおこなっておく。固定後また適宜神経学的評価を行う。高エネルギーが外傷ではコンパートメント症候群が起こり得るので頭の隅においておく。適切なレントゲン写真を撮影する必要があるが、レントゲン写真を撮影するために治療が遅れるようなことがあってはいけない。場合によっては手術室で後で撮影しても良い。

Open fracture
開放骨折の処置はBOA/BAPRASガイドラインに従って行う。
http://www.bapras.org.uk/downloaddoc.asp?id=141
早急に処置を開始する。最初の時点では巻き込んだ衣類の除去に止め、洗浄までは行わないようにする。生食ガーゼで創部を保護し、さらなる損傷を防ぐようにする。破傷風の投与歴を聴取し、必要に応じて投与。抗生剤の投与を開始する。神経血管系の評価を行い、カルテに漏らさず記載する。
いつ最終固定を行うかが問題となる。これは医療資源の問題もある。理想的には24時間以内に皮弁と骨折部の固定が行えればよいが、できない場合には一時的な固定を必要とする。挫滅が激しく、土壌、水上など高度汚染が考えられる場合にはできるだけ早期にデブリードマンを行い、生命、四肢の危険を出来るだけ減らすように努力を払う。




統計のお話をまとめたサイト

247/365 - Pepper Plen 

おはようございます。がみたけです。

医療統計学はPCが発達してから実地医家にとって必須の知識となって来ました。
しかしながら、1,統計学の用語に馴染みが無いこと、2,どの場合にどの統計手法を用いたらよいかがわからないこと、3,また統計ソフトを動かし始めた時に、その統計ソフトの使い方がよくわからないという壁に阻まれて先へ進めないことがあります。

今回ご紹介するサイトは
http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/~uro/html/Research-Publications/Statistical%20Analysis%20and%20Clinical%20Study.pdf

医学研究初心者のための  資料 本達 参考 作成 ま  医学研究初心者のための  やっぱりわかりにくい統計道場

です。

多変量解析についてどのような場合にどの手法を採択したらよいかということについてざっくりとまとめていらっしゃいます。

僕の友人の統計の専門家に聞くと、この内容はだいぶざっくりしていて、統計家からみるとだいぶ危ういところがあるようです。ご使用なさるときには、積極的に統計の先生に意見を聞かれてから、のほうが良いようです。

しかし、ある程度有用であることは間違いありませんので、強くおすすめさせていただきます。