2012年12月16日日曜日

20121215 25th AADO-OLC comprehensive bioskill course on fracture fixation その1

ブログの更新も学会などで滞っておりましたが、只今ブログ主は香港に来ております。
香港で25th AADO-OLC CBCFF 2012に参加させていただいております。

AADOーOLCは日本でいえばJABOにあたるものです。
JABOはStr◯ker社が主催する骨折の勉強会の一つです。大腿骨頚部骨折のような誰もが経験する骨折からpilon骨折のようなすこし難しい骨折まで体系だって勉強できる良い機会だと思います。
受講されていない方は是非Stryke◯社の関係者もしくはHPから問い合わせて参加されることをオススメいたします。

AADOですが、JABOのアジア版といった趣の会です。
JABOとの違いは
1.当然英語。
2,cadaverによる実習が体験できる。
ことです。

医療は文化、その国の背景に大きく左右されるところはありますが、それでもタメになりましたので、いくつか覚書程度に残して参ります。

福田先生の大腿骨転子部骨折と整復の評価
AP、MLそれぞれを3つずつ分ける。AP像でmedial, anatomial,lateral
ML像でintramedullary, anatomical, extramedullary
それぞれ近位骨片が遠位の骨片に対してどの位置にあるのかを評価。レントゲン評価でlateral, intramedullaryタイプが最もスライディング量が多い≒整復損失が多い。

そこでk-wireを用いた整復。
前方から先を少し曲げたk-wireを挿入。カパンジー法に準じて回転させながら整復。近位骨片が遠位骨片に対して内側、そして髄外型になるように整復する。

手術計画
レントゲン写真だけでなく患者の状態などもすべて勘案し手術計画をたてる。手術は手術室(Theatre)で行われるので、台本とリハーサルが必要である。
計画は起こり得ることをすべて考えておく。PlanA,B,Cといくつも考えておく。
自分の経験。手術室の設備、周囲の経験量などをふまえて手術は可能な限りのところまでとする。5時間も6時間もかかって整復固定し、感染させるくらいなら創外固定で帰ってくるという選択肢があってもよい。

MIS
傷が小さいことをめざす必要がない。正しく整復、固定できることが重要。

Damage control surgery
Hong KongのQueen Elizabeth Hospitalのtraumatologyの治療の変遷、その治療成績の話。
最近はnon responderに対する治療としてRCC,FFP,Pltを1:1:1の割合で大量投与開始。まずはとにかくペルビックバインダーを装着。FAST陽性であればそのまま回復の準備へ。FAST陰性であれば後腹膜ガーゼパッキング。その後創外固定、TAEを考慮と。これによって死亡率が70%台から40%台までさがったということであった。
治療方法をプロトコールとして院内に周知徹底しておくことが大事。


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