2018年2月20日火曜日

20180220 JBJS Am Low Prevalence of Hip and Knee Arthritis in Active Marathon Runners

JBJS Am からの報告。
変形性股関節症、変形性膝関節症(以下OA)の進行と関連する因子として性別、年齢、肥満、家族歴、労働環境などが言われています。
ジョギングなどのスポーツは関節にかかる力が歩行時の2から3倍になるとする報告があることから、過度な運動は変形性関節症のリスク因子として今まで考えられてきました。
本研究はフルマラソンを5回以上経験し、週に10マイル(16km以上)走る人を対象とした横断の観察研究です。この結果ではマラソンはOAの進行と関連しない。と筆者らは結論付けています。
そもそも、週に10マイル走る人は痩せていて、外傷歴とかもないでしょうしね。。。いわゆる選択バイアスそのもの何じゃないかと思います。苦笑。筆者らも書いていますが、今後の経過観察が必要と言っていますが、そのとおりだと思います。ちなみに2000年ごろにLaneさんが同様のコホート研究を行い、運動は危険因子である。と報告していますので興味がある方は一度並べて読まれると良いかと。
以下抄録

はじめに
マラソンが変形性股関節症、変形性膝関節症と関連するかという確固たるエビデンスはない。本研究の目的はマラソンランナーを対象として股関節症、膝関節症の状態について調査をおこなうことである。
方法
5回以上のフルマラソンの完走歴があり、最低10マイル/週走っているマラソンランナー675名を対象とした。疼痛、家族歴、手術歴、走行距離、マラソンの記録、現在走っているかについて調査。多変量解析を行い疼痛と関節症の存在についての独立した危険因子を抽出。対象はアメリカの国立センターに保存されている一般住民とした。
結果
平均年齢48歳。週に最低36km走っている。それを平均19年間継続していいた。平均。76回のマラソン完走歴があった。股関節痛、膝関節痛が47%に認められる一方、関節症変化は8.9%に認められた。これはアメリカの一般住民の関節症の有病率17.9%よりも低かった。年齢、手術歴が独立した危険因子である一方、歩行距離、時間、頻度は危険因子ではなかった。
結論、年齢、家族歴、手術歴はマラソンランナーにとってOAの危険因子となり得た。一方マラソンの頻度、強度はOAと関連しなかった。OAの頻度はアメリカの一般住民と異なっていた。今後は長期間にわたるフォローアップが必要であろう。


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