2018年5月3日木曜日

21080503 JBJSAm Alpha Defensin Lateral Flow Test for Diagnosis of Periprosthetic Joint Infection: Not a Screening but a Confirmatory Test.

背景
関節液中のアルファディフェンシンの検出が人工関節感染の診断に有用かどうかを検討する。本研究の目的はアルファディフェンシンテスト(ADLF)が関節液中の白血球数と比較してどの程度の能力かを検討することである。
方法
股関節又は膝関節の再置換症例で関節液を吸引した。一般的な検査に加えてADLFを追加した。MSIS、IDSA、EBJISの基準に従って感染を定義した。ADLFと白血球数をMcNemarのカイ二乗テストで比較を行った。
結果
212例の患者。151例が膝の感染。61例が股関節の再置換であった。MSISの基準で45患者(21%)が、IDSAの基準で55例(26%)、EBJISの基準で79例(37%)の患者で人工関節であるとそれぞれ定義された。ADLFはMSIS基準で84%、IDSA基準で64%、EBJIS基準で54%の患者で陽性であった。一方ADLFは3つの基準全てで96−99%と高い特異度を示した。とくに術後早期ではより特異度がました。EBJIS基準では白血球数のカウントがADLFよりも感度が高かった。(86%対54%)。とくに慢性感染では白血球数のほうが感度が高かった。
結論
ADLFは感染の診断で高い特異度、低い感度であった。スクリーニングには不適で、むしろ感染の確定診断に向いている。


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論評

メーカーさんのパンフレットをみると、感度特異度とも90%以上やで!!と記載されております。
また、小さな研究会などにでると”アルファディフェンシン最高””これからはアルファディフェンシンを信じて感染かどうか考えます”みたいな発表が散見されまして、おいおい、大丈夫かよ。と思っていました。
今回の報告は僕のその感覚に近いものです。疑っている症例に対して使って陽性だったら、感染だったね、やっぱり。という使い方をしようということだと思います。

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